まことビザオフィスを開業して8年目、結婚ビザをメインに知識と経験を積み重ねてきた行政書士の杉田誠さんに、「結婚ビザ 自分で申請応援パック」を始めた理由についてお聞きしました。
(2018年11月9日、聞き手:廣瀨さやか)
――まず、誠さんが「結婚ビザ 自分で申請応援パック」を始めたきっかけを教えてください。
行政書士 杉田誠(以下、誠) 2016年4月に栃木県在住の日本人女性から「自分で申請したいので、サポートしてほしい。」と電話で相談がありました。「申請だけじゃなく、準備段階でも、やれることは自分でやりたい。行政書士さんには、ビザの専門家にしかできない仕事だけをやってほしい。5万円で。」という内容でした。
始めは全然乗り気じゃなかったんですよ。だって、普通に代理申請を依頼してくれれば12万円の報酬がもらえるのに、法律家でもない一般の方にノウハウを1から説明して、報酬が半額以下ですからね。
でも、そのとき「ビザの専門家にしかできない仕事って何だろうな。」と考えたんです。それまでは「ビザの申請書類を作って代理申請するのがプロの仕事」と思っていたのですが、事務所によっては、申請書を書いたり、作文(結婚までのラブストーリー)を書いたりするのは、行政書士ではなくアシスタント任せのところもあります。それに、行政書士を使わないでお客様自身でビザの申請をするケースも多いので、そういう場合は、お客様が自分で申請書類を書いて、自分で申請しています。
つまり、申請書類を「書く」だけなら、素人でもできるんです。それをプロがサポートする場合、「とりあえず書いてみました」という書類を見て、それで許可になるかどうかを判断することと、許可にならないのであれば、どう修正すれば許可になるかをアドバイスすることかなと思いました。
もちろん、ビザの条件を満たしていなければ完成度の高い書類を作っても無駄なので、「そもそも結婚ビザの条件を満たしているか」については、申請前に判断する必要があります。
逆に言うと、「ビザの条件を満たしているかの判断」と、「書類のチェック」以外の事務作業は全部お客様自身でできるんじゃないかと思って、「結婚ビザ 自分で申請応援パック」を始めました。その具体的な中身については、提案者である栃木県在住のお客様と相談しながら決めました。
――不許可時に5万円を全額返金するのはなぜでしょうか?
誠 結婚ビザ(日本人の配偶者等)が不許可になるケースは、だいたい4つに分類できます。
- 結婚自体が偽装なので不許可(返金なし)
- お客様が嘘をついたので不許可(返金なし)
- 結婚ビザの条件を満たさないので不許可(返金あり)
- 入国管理局(以下「入管」)から誤解されるような書類を作ったので不許可(返金あり)
このうち「1」と「2」はお客様の責任なので返金しませんが、「3」と「4」については、ビザの専門家が関われば、未然に防止できるはずなので、「専門家としての責任を果たさなかった」という理由で、返金することにしています。
念のため補足しておきますと、今のところ「結婚ビザ 自分で申請応援パック」の利用者で、不許可になった方はいません。代理申請の場合でも、結婚ビザ(日本人の配偶者等)が不許可になった件数は、開業から今までに3件だけです。
また、一度不許可になっても、無料で再申請のサポートを行うので、前述の「不許可になった2件」は、再申請で許可が出ました。
僕は自分の判断に自信を持っていますし、お客様に安心して利用していただきたいので、返金保証を付けています。返金するのが目的ではなくて、許可を保証するのが目的です。
――「結婚ビザ 自分で申請応援パック」を選ぶのは、どのようなお客様ですか?
誠 ビザの申請書類は基本的に日本語で準備する必要があるので、「自分で申請したい」という声は日本人のお客様からいただくことが多いです。性別では女性が多いですね。年齢は関係ないです。
自分で申請する場合の最大の難関は、作文(結婚までのラブストーリー)ですが、作成するのが日本人女性であれば、問題にならないケースが多いです。多くの女性にとって、結婚は人生において特別なものです。出会いから、交際、プロポーズ、両親への紹介、結婚式、入籍とそれぞれの過程で男性以上に悩みながら決断してきて、その結果として今に至っています。悩んだ分その記憶も深く刻み込まれていて、結婚に至るまでのストーリーがきちんと整理されているのです。この点が、日本人男性と違うところです。
また、日本人女性は、海外への留学経験があったり、海外旅行でビザを手配した経験をお持ちの方が多く、ビザの手続に慣れている方も多いのです。
日本人女性が外国人男性と結婚して、日本に移住しようと決めたとき、ビザの申請準備(事務作業)を担当するのは日本人女性が多いです。外国人男性は日本語が読めない場合が多く、ビザについて調べたり、問い合わせたりすることができないので、だいたい「奥さんにお任せ」です。そして、お客様がインターネットで国際結婚やビザの情報を調べるうちに、「自分でビザ申請して許可が出た」というブログと、「ビザの専門家である行政書士に頼んで許可が出た」というブログを両方読んで、かなり迷うみたいですね。
「行政書士に代理申請してもらえば、許可になる確率が高くなるのは分かる。でも、自分で申請して許可になるのであれば、自分で申請するべきなんじゃないか?」と、散々迷って、「行政書士に代理申請してもらうのと、自分で申請するのと、どっちがいいと思いますか?」と僕に聞いてくる方もいます。僕は迷っている方には、自分で申請することをオススメします。心の中では「え、僕に聞くの?」って毎回思いますけどね(笑)。事務所としては報酬が多い方がいいですけど、それはお客様にとっては関係ない話です。
「代理申請するか、自分で申請するか迷っている方」というのは、どちらでも許可が出ることが分かっています。後は許可率の問題だと。そして、やろうと思えば自分で申請できる時間を持っています。そういう方は自分で申請しても問題ありません。
「結婚ビザ 自分で申請応援パック」は、代理申請と同レベルの許可率を保証した上で、自分で申請するためのノウハウを提供しますので、やる気と時間をお持ちの方であれば、代理申請と変わらない結果が保証できるのです。
――「結果を保証する」ために、誠さんは具体的に何をするのでしょうか?
誠 まず、お客様が置かれた状況をお聞きして、結婚ビザを取得するためにどのような道筋をたどればいいのか、その方向性を示します。
書類が揃った後は、お客様が自分で作成した書類が、入管の審査官が知りたいポイントを押さえているかどうかを見て、足りない点を補います。書類が不足している場合には、どんな書類を足せばいいかをアドバイスしますし、説明が不足している場合には、作文に加筆するよう指示します。作文の修正については、大まかなポイントを伝えることもありますし、微調整ぐらいなら僕が打ち合わせ中に書き直すこともあります。関係のない話を書き過ぎている場合には、僕が削除しています。
――誠さんは、お客様が自分で作成した書類を多く見てきたかと思いますが、よくやってしまうミスはありますか?
誠 日付のミスは多いですね。例えば、「〇年〇月〇日に彼の国で初めて会いました。」と作文に書かれているのに、パスポートの出入国スタンプを見ると「その日は日本にいたじゃん!」というようなことです。また、作文で入管の審査官が知りたいポイントが抜けていたり、逆に審査に関係のないことまで書き過ぎていたりすることもよくありますね。ただ、それらのミスは僕が修正すればいいだけの話で、仮にミスを見逃したとしても、不許可になるほどの決定的な問題には発展しません。
申請書類で一番大事なのは、「入管をだまそうとしなかったか」です。つまり、「事実と違うことを、故意に申請書類に書いた」場合に大きな問題になります。
僕は、お客様が自分で申請することをオススメしていますが、行政書士の力を借りずに、完全に独力で申請するのはオススメしません。その一番の理由が「書き間違いが、ただのミスでは済まないことがある」からです。
お客様は素人ですし、おそらく初めての申請でしょう。だから、「申請書に書いてあることの意味」や「作文に書くべきこと」が十分に理解できなくて当然です。しかし、仮にお客様が「申請書の意味を誤解していた」としても、書き間違いによって「事実と違うことを、故意に申請書類に書いた」という事実は消えません。そのことについて、さらに詳細な説明が必要になり、最悪の場合は不許可になります。
そういう不幸を防ぐために、行政書士という入管の審査官の視点からアドバイスできる専門家のサポートを受けてほしいと思います。
審査において判断されるのは、文章の良し悪しではありません。「申請書類に疑わしい点がないか」、「入管をだまそうとしていないか」ということです。そういう余計な疑いをかけられることなく、スムーズに手続を進めるためには、行政書士のサポートを受けた方がいいと思っています。
――それでは最後に、「結婚ビザ 自分で申請応援パック」の利用を検討されている方へメッセージをお願いします。
誠 僕自身が20代だった頃を振り返ってみると、12万円は決して気軽に出せる金額ではありませんでした。でも、知らないことや初めてのことに取り組む時間はありました。「代理申請のために12万円を出せるほどの余裕はないけれど、やる気と時間はある!」という方に、ぜひ「結婚ビザ 自分で申請応援パック」を利用していただきたいと思っています。